都心の交通連続ミニフォーラム第10回
「都市財政と交通」会場からのご質問

質問内容 コメント・・・□吉田  ■高見
◆定量化しにくい行政サービスや事業効果について、「ムダ」か「ムダ」でないかという市民議論を成立させるには、どういうアプローチが可能なのか? □測定できないものは管理できません。よって、これまでの事業評価などに加えて、コストを明確化することが必要です。これには、ABC(活動基準原価計算)といって、サービスを業務プロセスに分解し、それ毎に活動を把握する手法も有効です。このような手法も活用しながら、誰にでも分かりやすいコスト情報を提供するとともに、市民も公共を担う一主体として、行政サービスに関心を持つことが必要です。
◆予算=正しいとの価値観でムダな(助成金の集中)公共事業が目につきました。
◆市役所の各担当との間には、民間のコンサルタント会社が多く入りすぎて、現場を知ろうとしない職員が多すぎます。
□本当に必要な事業に必要な財源が充てられていない、また、現場を知らない職員がいる、というのは事実だと思います。このためには、現場に権限が移譲され、行政と市民とが協働する分野を拡大するとともに、政策形成の透明性確保が何よりも大切になってくると思います。
◆都市よりも地方の方が地方交付税依存率が高いと考えますが、なぜ都市財政の方が財政が悪化するのでしょうか? 
◆地下鉄の債務の利率が高いならば、借り換えはできないのでしょうか?
□都市も地方も含めた地方財政全体が厳しい訳ですが、地方交付税の割合では、地方の方が高いのですが、交付額では、都市部の方が大きいので、地方交付税の見直しは、都市部の方に大きな影響を与えると言うことができるかと思います。また、都市部の方が税収の割合が高いだけ、それが景気の低迷などで落ち込んでくると、財政に大きな打撃を与えることになります。
※質問2は、当日のパネルディスカッションで紹介済
◆地下鉄利用が減っているなら、なおのこと、地上の車線を減らし、人に優しい道を増やしてはどうか。それは車を運転する人にも交通事故が減り、地下鉄やJRの利用が増えることになる。なるべく少ない費用で、地上部を車と人と自転車を分離する方法などで。
◆また、私は10年前車にはね飛ばされ、外見は歩けるし普通に見え、倒れませんが、意識が時々抜けるという障害があり、赤信号も平気で渡っているらしいです。そういう時は、全盲の人より、車椅子の人より生命の危険があり、家のすぐ前の道路さえ危険です。そういう道作りはどうしたらよいでしょう。民間に任せた方が財政面で良いと思います。
□公共交通戦略を考えることは、まちづくりを考えることそのものです。これまで、民間が参入していない分野でも可能な限り参入を考えていくべきです。
◆高見さんのお話しで、減価償却を含めたキャッシュフローはどうなっているのでしょうか? ■過去に発行した企業債の元本償還額が減価償却費を上回っており、キャッシュフローでも100億円以上のマイナス(資金不足)を生じています。このため追加の企業債(緩和債)を発行して穴埋めしているのが現状です。                                                       
◆民間資金の活用に関する問題点についてお聞かせください。(証券を流通する市場化など?)
◆受益者負担に対するサービス料金としての資金回収法などについて
◆コストを下げるためのNPOの利用について
□市債は、市場公募債といって、銀行や証券会社が購入しているが、財政悪化が懸念され、その金利が高くなったり、売れ残りが出てくる可能性もなくはありません。また、PPPについては、多様な手法がある訳ですが、特に官民の役割分担とリスクを明確化しておくことが大切です。
□受益者負担については、サービスの公平性の観点からも重要であり、適正な水準に設定することが重要です。
■交通輸送サービスを提供するためのコストは、結局は誰かが負担しなければなりません。問題は「適正な水準」がどのくらいというところですが、札幌の都市交通の運賃料金は、基本的には全国の標準制度にならった体系であり、たくさん利用する人(=お得意さん)にはもっと格安にするなど、発想の転換が必要と思います。                                                                                        
◆地下鉄債権を低利資金に借り替えた場合、どのような効果が期待できるのか?
◆利便性を高めるための方策として、何がいちばん重要か?
※質問1は、当日のパネルディスカッションで紹介済
■個人的な経験に基づく考えですが、「待たずに乗れる(運行頻度)」「迷わない(わかりやすさ…路線や運賃制度など諸々)」「トータルで値頃感のある運賃料金」の3要素が重要ではないでしょうか。
□PPPを導入することによって、例えば、ダイヤ編成の見直し、商業、観光事業とのタイアップなどが可能となり、都市施設としてさらに活用することが重要と考えます。                 
◆札幌市の資産が4兆8千億円あるといいますが,資産評価自体がおかしいのではないか?道路公団と同じ問題をはらんでいるのでは? □評価額は、決算数値から導いているのもであり、施設毎に資産評価をしている訳ではありません。また、一般会計において、市債は、建設費の7から8割で、それ以外は、税金を使っているので、債務超過にならない仕組みとなっています。したがって、民間のバランスシートとはかなり異なるものであり、どのような分野の資産が積みあがり、負債はどれごどあるのかという「目安」としての活用になると思われます。
◆借金について
◆地下鉄の借入金の担保は何ですか?
◆債権者はどこで何をしている人たちですか?札幌市民以外から大きなお金を借りていると問題が大きいのではないですか?
※質問1は、当日のパネルディスカッションで紹介済                                ■地下鉄事業の借入金については、国(財務省)・郵政公社・公営企業金融公庫が「3大債権者」です。ただ、これら債権者は、大ざっぱにいって郵便貯金や簡易保険など、国民から集めたお金を原資として交通局に貸し付けていますので、見方を変えれば、国民が広い意味での債権者なのかもしれません。
◆札幌市全体の財政状況について市民に情報提供するときは、もっとわかりやすくした方がいいと思う。
◆特区の一環で、都心に入るマイカーに税金をかけることを考えたことはありますか?(宮脇先生へ)
◆意見として、今の地下鉄は、路線が中途半端だと思います。
□広報さっぽろやホームページで発表していますが、具体的な施設・事業コストの構造や将来負担を明らかにするなど、まだまだ工夫の余地はあると思います。また、結果だけでなく、予算編成、実行段階といったプロセスをもう少し分かり易くするべきだと思います。
※質問2は、当日のパネルディスカッションで紹介済
■今回の講演で問題提起されたように、都市財政を取り巻く環境が大きく変わっている現状では、例えば○○区には地下鉄がないから早く延長しなければならない、という考え方は通用しないと思います。宮脇先生の講演資料中に、“「均衡ある国土の発展」からの脱却”という表現がありますが、これを札幌に即していえば、「均衡ある各区の発展」からの脱却 ではないでしょうか?。
◆行政の縦割り型と横割り型では、都市交通の場合どちらが重要となりますか? □都市交通は、幅広い分野に関わるものであり、当然、横割りでも議論していく問題です。
■吉田さんからのコメントと同じように考えますが、更に言えば、全体をうまくコーディネートする役割を果たす人・部門が必要になると思います。
◆吉田さんの講演内容は、一般論が主だったと思うのですが、札幌市役所として、どんな姿勢で取り組み、具体的にどんな動きが出てきているのか、何かひとつ教えていただければと思います。 □当日のパネルディスカッションでも紹介しましたが、路面電車について、PPP導入の研究を行っているなど、その基準や具体的な事業などについて、研究を進められています。